今週の店長コラム
text 渡良瀬リョウ
小学校1年生の息子が、学童クラブでマンガや絵本を毎日読んでいる。「ドラえもん」も何冊かあるらしく、先日「バイバイン」という話の内容を、私に詳しく話してくれた。「バイバイン」は一滴垂らすと、5分ごとに2倍に増えていくもので、のび太はこれで1個しかない栗まんじゅうを増やすわけだ。全部食べきらないと、5分ごとにどんどん倍増してしまい、1時間で1億個を超えてしまう。
私も30年ぐらい前の小学生時にこの話は読んでおり、数多いドラえもんの話の中でも、特によく覚えている話だ。息子もたまたま読んだ「ドラえもん」の中で、特にこの話が気に入っているようで、「ドラえもん」は時代を超越して、ちゃんと読み継がれていく偉大な作品なんだなあと実感した。
うちの息子は完全なインドア派で、週末に母親が買い物に行くので出かけようと誘っても、家にいる方がいいと答える。ごろごろとしながら本を読んでいる方がいいらしいのだ。我々大人などは、天気のいい休日など、家の中にいてはもったいなく、特に目的はなくても外に出たくなるものだが、うちの息子は目的がないなら家にいればいいじゃんと、最近は子供らしからぬことを言うようになってきた。
ただ、ラーメンを食べにいくよというと、むくっと起き上がって出かける気になるらしい。ラーメン屋といっても、我が家が行くのは別に有名店ではなく、「幸楽苑」や「王将」などの安いチェーン店や、東武練馬の「たけいし」だ。息子はとにかくラーメンが大好きらしい。
餃子も大好きで、店でしばらくラーメンを夢中に食べていたかと思うと、おもむろに餃子の皿とライスのどんぶりを自分のところに引き寄せ、餃子をご飯の上に載せてワシワシと食べ始めたりする。まだ6歳だが、餃子にはライスが欠かせないようで、41歳の父親と嗜好がそっくりである。生まれたての赤ちゃんの頃、面白い生き物だなあと思って見ていたが、成長して年月が過ぎても、今だに面白さは衰えていない。
10年ひと昔で、時代はどんどん変わると言われる。昔はインターネットもなかったし、携帯電話もなかったし、「iPod」もなかった。人の趣味も多様化しているなどと言われているが、のび太が栗まんじゅうを増やしすぎた話が気になったり、餃子ライスを夢中になって食べたり、うちの息子を見ていると、人間は昔も今もまったく同じなんだな、ということを感じたりする。
時代の先端を行くなんてことよりも、お金を儲けることよりも、おいしいラーメンをまた食べられればいいなあ、なんてことを最近は考える。
最近は息子が「ドラえもん」の話をよくしており、ドラえもんは22世紀から来たということを、一生懸命私に教えてくれる。そんなことは私だって百も承知だが、特に薦めたわけでもないのに、私も息子も同じマンガを読んでいるというのが面白く、なんとなくうれしい。
最近、我が家での話題は、22世紀まで生きられるのか、ということだ。22世紀を迎えるとき私は132歳、息子は97歳。時代の先端を私はさっき否定しかけたが、その頃になってると、医療技術ももっと進歩していて、もしかしたら生きているかもしれない。もし生きていたら、私も息子も相当な爺さんだが、相当な爺さんが2人もいて、しかもそれが親子だったら、なんだか面白いよな、ということを最近よく考える。どうでもいいといえば、本当にどうでもいい話なのだが。
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